旋律楽器においてのジャンルと弱起

“弱起” って何となく耳にしたことはありますか?
小節の1拍目から始まらない曲のことなのですが、厳密には “弱拍から始まる曲”のことを指します。
この弱拍のことは、よく “アウフタクト” とも呼ばれています。

鼻に指突っ込んでるよ〜

クラシックをやってこられた方は必ず勉強することなのですが、二胡だけをやってる方は中々この辺を教わる機会が少ないようです。
もちろん教える教室もあると思います。

弱拍があるからには強拍も存在します。
強拍、弱拍というのは一小節の中で何拍目にアクセントをつけるか?というものです。
4/4なら1拍目が一番強い拍で、3拍目が二番目に強い拍。
2拍目、4拍目が弱拍になります。
3/4と2/4は1拍目が強拍。

現代ポップスで言うと、リズム楽器(ドラムやパーカッション、ベース)で考えると分かりやすいと思いますが、4/4では小節の1拍目に重たい低音の「ドンッ!」て言う音を入れることで、小節の頭毎にアクセントが付きます。
それが一定の周期で繰り返されることで、音楽の “ノリ” とか “グルーブ感” が生まれるんです。

で、この4/4での強拍・弱拍、入れ替えて想像してみてください。
HIPHOPとかR&Bで聴かれるような、黒人音楽っぽくなりませんか?
実際には低音ドラム(ベースドラム)は黒人音楽でも1拍目に入れますが、音楽的なアクセントは2.4拍に付きます。
このように、ジャンルというのは強拍・弱拍の法則性を変化させたり、他にもコード(和音)の法則性や、音階の法則性を変化させることで、ある程度フォーマット化されています。

変化させるとは、いったい元は何から変化させるのでしょう?
基準はクラシックという一つのジャンルです。
1.3拍目の強拍を明確に定義づけているのは、クラシックとそれに準ずる派生したジャンルです。

最初の弱起についての話しに戻します。
弱起で始まる曲として『さとうきび畑』を例に挙げてみましょう。
ざわわ〜の最初の “ざ” は4拍目から始まって、最後の “わ” が小節頭です。→ 12|1
声を出して歌うことをイメージしてみてください。
最後の “わ” を強く歌いたいでしょうか?
森山良子さんが “わ” を強く歌ってるイメージがあったでしょうか?

この場合、小節の周期性を生み出して、構成を分かりやすくしている役割は、伴奏のピアノの方です。
大体が強拍部である1.3拍目に低音を入れます。

二胡を器楽演奏として捉える場合と、歌の代わりになる旋律楽器として捉える場合とで、導き出される答えが変わってくると思います。
クラシック楽器なら12|1の最初の12はアップボウ(推弓)でスラーします。
アップボウよりダウンボウ(拉弓)の方が、音が強いとされているため、強拍である小節1拍目の音をダウンで弾くのがクラシックのセオリーです。
弱起はちょっと別ですが、アウフタクトで次の小節にフレーズがまたがっている場合、ポップス系のサポートをされるバイオリニストは、セオリー通りには弾かなくなってきているそうです。

僕だったら “ざわわ” を一弓でスラーしたいです。
歌える楽器、僕の声の代わりになる楽器として捉えているからです。

弓を切り返すか切り返さないかの一つだけでも、音楽の表情は変わってきます。
と言うお話しでした。

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2 Responses to 旋律楽器においてのジャンルと弱起

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